似太郎

脱出の似太郎のレビュー・感想・評価

脱出(1944年製作の映画)
4.0
同じボギー主演で内容的にも『カサブランカ』とよく比較されがちなハワード・ホークス監督のスリラー風活劇。

大女優、ローレン・バコールが登場した瞬間に鳥肌の立つ作品でもある。

この監督の中ではそれ程印象に残らない淡白な出来なのだが、原作が文豪アーネスト・ヘミングウェイで『三つ数えろ』同様に脚本がウィリアム・フォークナーという点がそそられる。単純そうで奥の深いストーリーテリングの妙。

ホークス映画で毎度同じみの名脇役、ウォルター・ブレナンもすっ惚けており実に味わいがある演技。「飄々」を通り越して間の抜けた感じがクセになりそう。

また中盤で作曲家のホーギー・カーマイケル本人が演奏する『香港ブルース』は細野晴臣他、多くのアーチストにカヴァーされた名曲なので、そういった音楽面でのセンスの良さが良く表れた佳作でもある。

戦中にここまでモダンで洒落た活劇を作るワーナー・ブラザース及びホークス監督はやはり凄い。まさしくアメリカ映画黄金期やな〜、としみじみ実感。🎞
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