アー君

続·ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画のアー君のレビュー・感想・評価

3.0
サブスクでパート2が配信をしていたので、引き続き鑑賞をする。

カザフスタン政府も映画の影響による偏見で大分怒っていたようであるが、それなりに旅行ツアーを組んだりしていて軟化の姿勢を示しているらしい。ボラットは1人で組織権力と戦う(厳密にはスタッフはいるけど。)という意味では武器を持ったランボーよりも和平的なソルジャーなのだろう。ただカザフスタンはモンゴロイド系が半数以上の人種を占めているので、中東差別よりもアジア人も小馬鹿にされている気がしてなんか微妙なところである。

相変わらずの中身ではあったが、前作から十年以上も経っており、ボラットもエキセントリックさを無くして少しだけパワーダウンをした印象もある。裁判とのゴタゴタはまだ続いているらしいので、ボラットが大人しい代わりに娘役が身体を張って頑張ったとは思う。

しかしダンス会場での〇〇ダンスだけはドン引きではなく、申し訳ないがどうしても受け入れられなかった。あまりにも露骨すぎて周辺が引きつった顔は本当の表情だろうけど、抑圧されたフェミニズムの裏返しといえども、ここまで来るとグロテスクというか狂気の部類で一体を私たちに何を伝えたいのかよく分からない。

トランプの御用弁護士のスキャンダルも中途半端で途中からボラットが乱入しなければトランプ陣営の共和党を揺るがしかねない失脚まで行けたのに、奥歯に物が挟まったセミ・ドキュメンタリーで政治的な配慮が分かってしまい残念であった。

コロナ禍を意識した月並みな終わり方も時代には沿っていたが、監督が違うだけで行儀の良さも少なからず目立っていた。
アー君

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