ちろる

Everybody's Talking about Jamie~ジェイミー~のちろるのレビュー・感想・評価

4.1
さすが!と最初から圧巻のダンスと音楽。
ドラァグクィーンに憧れる16歳のジェイミーが、ドラァグクィーンの格好のままでプロムに参加することをまた認めてもらおうと奮闘する実話をもとにしたミュージカル。

始まりから学校のシーンで、青春ドラマのようですが、母と息子の話であり、父と息子の話であり、師と弟子の話でもある。
自由に自分らしく生き続けるために常に戦いながら進まなきゃならないジェイミー。
彼のまっすぐなキャラクターが愛おしくて、自然と応援したくなる。

パパの態度は厳しいものだったけど、欲しがっていた真っ赤なハイヒールを買ってあげるママの息子に対する無償の愛に涙が流れます。

そしてクラスメイトの描き方も良かった。
個性豊かですが、ちゃんと理解してくれる仲間がいることで、ジェイミーはのびのびと学校で過ごせていたんだなと思うと胸がギュッとなります。

ドラァグクィーンのお話なのでLGBTQのカテゴリーで語られがちですが、ジェイミーの明るさ、自己肯定感の強さは素晴らしく、彼に教えられる事がたくさんあるし、そんな彼を育てた他でもないママの姿にもとても共感しました。

この監督、実は舞台監督ということで、映画作品は初めて。
舞台監督ということが深くうなづける、ロケーション全て舞台にしたようなダイナミックなカメラワークに始まりからワクワクさせられるこの映像に、たくさんの人が笑顔になってほしいです。
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