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あの夏のルカのrensaurusのレビュー・感想・評価

あの夏のルカ(2021年製作の映画)
3.9
表面的には分からないが、一部の人からは疎まれる側面を持つ人が潜在的に存在し、心から信頼できる間柄の人はそれを受け入れてくれると教えてくれる作品。

テーマとして、LGBTQ+のような一見すると分からない内面的な他人との違いを意識していると感じた。

ルカのおばあちゃんの「受け入れる人と受け入れない人がいる。ルカは受け入れてくれる人の見分け方を分かっている。」この言葉がこの作品のメッセージであるように感じた。

街にいたおばあさんのように、誰も気付かないがカミングアウトを受け入れやすい状況になれば出てくる人もいたり、開示の瞬間の緊張感、表明する勇気、アルベルトを「シーモンスターだ!」と売ってしまったルカのように、自分もマイノリティなのに偽って同じマイノリティを傷つけてしまわざるを得ない社会的価値観の存在など、マイノリティの苦悩をよく描けていると思った。

またそれを、少年時代の純粋な気持ちに乗せてやってくれ、イタリアの港町の夏という設定も爽やかさに一役買ってくれ、まっさらで快い作品だったと思う。

正直序盤は「珍しく不発か?」と思ってしまうほどだったが、終盤から一気に盛り返した印象だ。また、飯テロとしての素質もゴリゴリにあり、ジュリアのパパのジュノベーゼがあり得ないぐらい美味しそうだった。あとジュリア可愛い。
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