AKANE

あの夏のルカのAKANEのレビュー・感想・評価

あの夏のルカ(2021年製作の映画)
4.0
宮崎駿狂のイタリア人監督が描いたショタ版🐠アリエル。舞台はイタリア、地上の世界に憧れてきたシー・モンスター(人魚と違って魚人感強め)の少年ルカが陸に上がると人間の姿に変わるという同じ性質をもった同族の少年アルベルトと出会い、共に港町でひと夏を過ごす姿を描いた今までのピクサー映画よりもノスタルジックで温かみが強い作品。それもそのはず、監督であるカサローザ監督は大のヤバすぎる宮崎駿オタクなのである!!!!!!!(大声)どれぐらいヤバいかって今回の作品の舞台の町であるポルトロッソは『紅の豚』の主人公ポルコ・ロッソからとり、あろうことかそれだけでは飽き足らず娘に『紅の豚』のヒロインのフィオと名付けているのだ。そこまでジブリを愛する監督がピクサーにいるのを知って鳥肌が立った。さらに、今作のアクションシーンは『未来少年コナン』『ルパン三世カリオストロの城』、近年のピクサーらしからぬ、あえてリアルを追い求めない美しい水の動きは『崖の上のポニョ』目つきの悪いぽっちゃり猫は『耳をすませば』にそっくり。ヒロインの父親は『魔女の宅急便』オソノさんの旦那さんのパン屋の主人っぽくもみえる。そして、宮崎駿監督だけでなく、細田守監督からも影響を受けているとオタク監督は語る。映像もキャラの感じもピクサー作品なのに日本のアニメーション映画の面影を感じずにはいられない作品なのだ。夏ってことでいつ観ようかと迷っていたこちらを淡々と消化するつもりだったのに「夏」を題材にした初のピクサー映画である今作はラストのオチも完璧で、最後には涙ほろり。

ちなみに小ネタとして…
主人公ルカの声を『ルーム』『ワンダー君は太陽』『グッド・ボーイズ』でおなじみ天才子役で私のだいすきなジェイコブ・トレンブレイくんが担当。
あと、作中に隠れミッキーならぬ、隠れドナルドが!!!見つけられるかな?🦭🍕🍝
AKANE

AKANE