オンライン試写会にて
わたしは子を持つ親ではないですが
死んでしまった我が子を写真に撮ってほしいという衝動は異常だと思うけど、
でも解るなぁという気持ちもありました
身近な人の死に直面したとき、
棺桶で冷たくなったその人を見ても
"なんか違うな、この人はこんなんぢゃないのに、、!ってこれは別人だ!"
って疑いたくなるような悔しいような感覚が悲しみとは別の部分にあるような気がします。
なので、安斎は娘が娘のままでいられるうちに
何か残したかったんじゃないかなと解釈できました。
最初はちゃんとしたカメラマンに任せたかった安斎ですが、
これが初仕事となる若手の山下が担当で良かったと思います。
ベテランだったらむしろ撮らなかったかも
いい経験になるから、任せてもらえて嬉しいから
という理由で安斎に食いつくように向き合っていた山下ですが、
2人が段々と心通わせていくようで
住居の1階だけだった場面が、撮影の部屋、2階のアルバムの部屋というように
家の奥に奥に進んでいき、安斎が気持ちを許すような展開が好きでした
赤ちゃんの撮影シーン、山下は何を娘ちゃんと会話してたんだろう
山下の脳内イメージの場面なのでしょうが、
赤ちゃんはカメラレンズのカバーを食べて
触覚を使って生きようとしてたのが印象的でした
亡くなった人との会話、
ましてや相手は赤ちゃんで、言葉も通じない中で
山下が何を受取ってどんな写真をとったのか
わたしは観てみたいと思いました。