とさこ

初仕事のとさこのネタバレレビュー・内容・結末

初仕事(2020年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

途中まで、「赤ちゃんの写真が気になるな」と思っていたのですが、案外、社会人の「初仕事」は、仕事の出来そのものより、依頼者(クライアント)からの要望にどう向き合っていくか、そして仕事後の自分の振り返りなのかもしれない、と思った作品でした。

正直、最初の頃は先輩の仕事の振り方が雑過ぎるのが引っかかって内容が入ってこなかったり、退屈な時間があったり、安斎と山下の台詞回しが芝居くさくて気になったり、シーンの繋ぎがぶつ切りな感じもあったり(後に屋内のシーンは部屋ごとに家が違うと知って納得)しました。しかし、それ以上に、遺体の撮影とは、残されたものの行き場のない気持ち、2人の思いが交差して入れ替わってしまう過程、初仕事とは、などを伝えようとする何かが伝わってきました。ゴンドラのシーンが特に好きです。

安斎は、きっと、自身が言っていた「未練だったかも」よりも、「鬱々とした己の気持ちに、気が済むまで向き合ってくれた」ことが大きかったように思います。

最初と最後に見る「初仕事」の文字の捉え方が真逆になる作品でした。よかったです。
とさこ

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