ねむろう

初仕事のねむろうのネタバレレビュー・内容・結末

初仕事(2020年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

2023新作_096


シャッターを切れば、終わるはずだった――。


【簡単なあらすじ】
写真館のアシスタントである⼭下は、⾚ん坊の遺体の撮影を⼈づてに依頼され、良い経験になるかもしれないと依頼を受ける。⾚ん坊の⽗親であり依頼主でもある安斎は、始め若い⼭下に⼾惑うも、正直で実直な⼭下に⼼を許し、撮影が始まった。遺体の状態を考えると時間がないという状況も、⼭下の使命感に拍⾞をかけ、美化すべきでないという倫理観は、⽬の前の状況に吹き⾶ばされる。⼀⽅、安斎も次第に⾃⾝を突き動かしていたのが未練だったのではと気づき、⼭下を⽌めようとするが…。



【ここがいいね!】
非常に不思議な映画でした。
おそらく、話のメインとしては遺体の写真を撮ること、そして写真を撮ること自体に主人公が取り込まれてしまうということだと思います。しかし、話の展開的にどこへ向かっていくのかということが、最後まで落ち着かない映画だった印象です。
一方で、とても古い家がメインとなる舞台のため、昼間であっても暗がりが多く緊張感が漂う作品でもありました。どのような作品かを知らなければ、ホラー映画なのではないかと思うぐらいの舞台設定が、非常に良かったと思います。



【ここがう~ん……(私の勉強不足)】
セリフ回しや演技の自然さが、あまりなかったように思います。しかし、この映画が(意図せず?)持っている「不穏さ」「不気味さ」に寄与する形にはなっていました。
さらに、奥さんと娘さんを亡くした旦那さんの思考が、論理的でないという言い方が正確なのか分かりませんが、少し掴みどころがない人物に感じました。この人は結局何をしたかったのだろうと思ってしまいました。



【ざっくり感想】
一番最初にも書いたように、かなり不思議な映画でした。もう少し、伝え方を変えるだけで、面白さがグッと上がる作品だったのかなと思います。主人公であるカメラマンの題名の通りの「初仕事」ということですから、今後の彼にどういう影響を与えるのか、何かしら大きな影響を与えたであろうというようなところは伝わってきましたので、そのあたりも含めて非常に興味深い作品だったと思います。
ねむろう

ねむろう