みらい

皮膚を売った男のみらいのネタバレレビュー・内容・結末

皮膚を売った男(2020年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

オンライン試写会にて。

難民、人権、尊厳、自由...。
正解が一つだけではないテーマであり、観ている間「もう、これは一体どう捉えればいいの?」とずっと思っていました。
(レビューも書かなくちゃいけないし、笑)

サムがジェフリーに対して「恵まれた側だな」と言うように、サムのような厳しい生き方を強いられる人々と、そうでない人々の間には線引きがされています。同じシリア人であっても彼を下に見るような人もいるし。
私だって、日本に生まれて育ってきた自分の状況を考えれば、線を引いたときにサムと同じエリアにいるとはちょっと考えられません。どういう目線で彼を見ても、それが悪いとか良いとかは言えません。だって、それぞれ置かれた状況が違うから。
しかし、自分は安全地帯にいると思っても、一瞬で状況が変わることもあるということを心に留めておきたいと改めて思いました。

アートの分野には明るくないですが、ジェフリーの作品を革新的・先進的ととるか、倫理違反ととるか。
きっとどっちか一つということはなく、どっちも当てはまるんだろうなと思います。私は賛成できないけど。

サムが持っている人々の喰い物にされて終わるかと思いきや、いろいろと根回しをして自由を掴んだラストが良かったです。
物理的な自由は大事ですが、それよりも精神的な自由が道をひらくのだなと、思いました。
みらい

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