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皮膚を売った男のlpのレビュー・感想・評価

皮膚を売った男(2020年製作の映画)
4.3
東京国際映画祭にて鑑賞。

TOKYOプレミア2020に出品されている移民問題を題材にした作品。インパクトのあるタイトルと、モニカ・ベルッチも出演しているという点に惹かれて鑑賞。
上記の通り大した予備知識も無かったのだけれども、これが傑作だった!

シリアからレバノンへ亡命した男が主人公。彼はレバノンで現代アートの巨匠と出会い、自らがアート作品になる(背中にタトゥーを入れ、作品として展示される)ことで、大金を手にいれる契約を提示される・・・というのが導入部。
ここから映画は主人公の「人としての尊厳」を巡る物語を展開する。背景には過酷なシリア情勢の問題が置かれているのだけれども、その要素も絶妙に物語の主題に絡んでくる。この巧さには驚かされた!

また、横軸には主人公と幼なじみとのラブストーリーも置かれているのだけれど、こちらもしっかり話に絡み、エンタメとしての面白さも多分に含んだ作品になっている。ラストのどんでん返しも素晴らしい!

タイトルのインパクトに気を取られましたが、中身は娯楽性も高く面白い作品でした。もしも例年通りコンペとして出品されていたら、受賞を期待したい1本になったと思います。
まだ映画祭期間中にもう一度上映があるので、気になる方はぜひ!オススメ!
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