MasaichiYaguchi

クリスマス・ ウォーズのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

クリスマス・ ウォーズ(2020年製作の映画)
2.9
クリスマス・シーズンには上映し辛い本作は、サンタクロースの伝説を揶揄して捻り、メル・ギブソンが武闘派のサンタクロースに扮して暗殺者と死闘を繰り広げる内容からは「良い子は真似しないでね」というフレーズが聞こえてきそうだ。
クリス・クリングルと妻のルースは、何百年もの間、雪深いアラスカの森の奥深くに身を潜めてきた。
それには理由があって、クリスの正体はサンタクロースで、クリスマス・シーズンになると多忙を極めるのだが、しかし近年はサンタクロースの存在を信じない子どもが増え、クリスの“事業”を支援する政府からの報酬が削減され、彼が営むおもちゃ工場と従業員は深刻な財政危機に陥っている。
クリスたちの窮状を見兼ねた政府は、彼の工場が持つ「ものづくり」の高い技術を見込んで米陸軍向け兵器の製造を依頼する。
一方、クリスマスの朝、欲しいものはすべて手に入れてきた裕福な12歳の少年ビリーはプレゼントへの期待を胸に目を覚ましたが、彼に贈られたのは一欠片の石炭だけだった。
利己的で不道徳なビリーは、思い通りにならなかったことで怒りが頂点に達し、サンタクロースに復讐を誓って凄腕の暗殺者にサンタクロース抹殺を依頼する。
ここから驚天動地の「サンタクロースVS暗殺者」というブラックなクリスマス・ストーリーが幕を開ける。
元々、サンタクロースは、4世紀頃、小アジアのミュラの司教であった聖ニコラスだと言われていて、サンタクロースの着ている赤い服も、聖ニコラスが生きた頃の儀式の時の服が基になったと言われている。
サンタクロースのイメージである赤い色は、自分の命をかけても、他の人を助けることを意味していて、血を流しても人々の為に尽くす証しでもある。
だから、本作で描かれたように“副業”で武器製造するなんて有り得ないし、ましてや“武闘派”な訳はない。
しかし、それでは映画にならないから本作のような設定や内容になったのだと思うが、どう考えても“悪趣味”だと思う。