Punisher田中

クリスマス・ ウォーズのPunisher田中のレビュー・感想・評価

クリスマス・ ウォーズ(2020年製作の映画)
3.5
政府公認のサンタクロースを営むクリスは財政難に陥っていた。
立て続けに行われる政府からの予算削減によって、このままでは全ての子ども達にプレゼントが思う様に送れないでいた...
そこでクリスは悪い子供には石炭をプレゼントする計画を立て、決行するのだった!
しかし、その悪い子供の中にはクリスの抹殺を暗殺者に依頼するとんでもなくワルな子供がいたことをクリスはまだ知る由もない...

クソガキの刺客vsサンタクロース!!
全ての頂点を目指すクソガキvs予算が充てられない金欠サンタクロースを描いた作品だ!!
大体テンションが片方に振り切っている作品が多いのだが、アホ臭さと深刻さが同居しているせいで複雑な心境で鑑賞する作品もたまになら悪くない、個人的にはかなり惜しい作品だな〜と感じる。
恐らく、この世界に於けるサンタとはなんぞやという説明パートとそのサンタを悩ませる予算不足と子供たちの求める希望に板挟みとなるシーンがあまりにも大部分を取ってしまったことが原因。
作品に入り込んでいたらもう事が地味に終わってるので、メル・ギブソンを起用しているからと油断しているとあまり大暴れしてくれないので悲しい気持ちになってしまうかもしれない。
しかし、教養を自分の子に身につけさせたいという親御さんにはもって来いの作品だと思う。
おとぎ話から得られる教養をごった煮した内容になっているので小6、中1辺りには効果的なのでは...?!

お金で解決できるものもあれば解決できないものも勿論ある、それは自身の愚かさだ。
今作では金の力と弛まぬ努力と孤独が嫌な形で相互作用して出来てしまったモンスターチャイルドを描いているのだが、この子自身の愚かさは結局、親や身近だったり強大な存在が叱責しない限り治らなかった。
自身の愚かさは誰かが気づかせるきっかけを作らなければ省みることが出来ない。
改めて子供に必要なのは他者であり、親や親しい存在で孤独はもっての外なのだ。
B級で地味ながらも、比重をアクションではなくドラマにしたことで少しの重みを付けた作品。
クリスマスは家族でクリスマスウォーズを観よう!