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バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティのeigamanのネタバレレビュー・内容・結末

1.0

このレビューはネタバレを含みます

前情報から期待値は大だったのでいざ鑑賞。
バイオ2に登場したトラック運転手とハンバーガーに加えて、クレアやクリスのビジュアルも完成度高めでした。

レオンに関しては原作に忠実とまではいかずとも個人的にはかなり好きですね。RE3のカルロスも織り交ぜた感じですかね。

ジルの俳優さんは原作とかなり乖離がありますが、特に問題ではありません。つまりキャスティングはファンにとっても見られると思います。

モヤモヤするのはそれぞれの相関関係や設定でしょう。
恐縮ですが、この駄作を見て「ゲームのストーリーに忠実!!」とか思う人はあんまり原作やり込んでないのかな、と推測します。

まずクレアとクリスですが、ラクーンの孤児院出身という設定自体は良いです。まだいいんです。
ただ、ウィリアムバーキンの養子にした挙句、兄弟間の関係性を険悪なムードに改悪した点がいただけませんでしたね。

そしてクリスとジルを元恋仲にした部分も個人的には好きじゃありません。
2人は今後ともに死線を潜り抜けていく(映画の時系列的には)パートナーなので、物凄く関係が薄っぺらくなりました。

さらに、レオンとクレアの関係性にも言及させてください。
まずレオンは原作とは別人レベルのポンコツ感を前面に出し過ぎです。
確かに原作でも彼女と別れて酔いつぶれた末の大遅刻ですが、レオンは元々のスペックがそこまで低くない。
が、映画では周りからイジられつつクレアからもどこか格下に扱われて、警察署の受付で音楽を聴きながら居眠りしてゾンビの襲来にも気がつかないほど。
なんなら8割がたテンパってて完全に脇役の立ち振る舞いでした。(終盤ではGの止めを刺す役回りでしたが、それでもレオン好きとしては無理)

ちなみに原作ではご存じの通りレオンがどこか妹のような目線でクレアを見守りつつ、互いに信頼し合いながら事件を解決していくスタイリッシュな設定です。

まあ、クレアをメインパーソンにして、ある種すべてを達観したような位置に据えたのは良いと思いますが、逆にその他をポンコツにし過ぎ。

・Gウィルスのために子供を利用し続けてきたバーキンに騙されながら「親同然」と信望するクリス
・クリスと別れてウェスカーに乗り換えようとしているジル
・終盤以外ひたすらにポンコツなレオン

それぞれキャスティングは本当に良いだけに、製作陣どうした。と言いたいクオリティでした。

申し訳ありません。まだ続きます。
ここからは先ほどほんの少し登場したウェスカー、そしてリサ・トレバーにも触れておきたいです。

アルバート・ウェスカーといえばSTARSの隊長にしてアンブレラの幹部であり、ゲームはもちろんミラジョボ版の根幹に関わる大ボスも大ボス。
物静かな立ち振る舞いの中で、虎視眈々と思慮を巡らしつつ、邪魔者は徹底的に排除するクレバーさも魅力で恐ろしさですよね。

ただし、映画の方ではそれらを一切なかったことにしています。ゼロです。
共通点としては
・金髪
・STARS(普通の隊員)
・背が高い
・筋肉 以上。

相違点としては
・「俺はこんな田舎町で終わりたくない!」と言いながらバーキンだかエイダだかに(もうこの辺覚えてません)金で釣られてSTARSを裏切る小物に改悪
・普通に弱い。
・映画版の隊長からも小馬鹿にされる小物設定
・小型デバイスからの指示通りに踊らされるだけ

つまり別人と思った方が良いでしょう。結論としてミラジョボ版の方が遥かにウェスカーしてます。
実際このウェスカー改悪が一番失望しました。この核を押さえずして洋館事件の映画化は難しいのではないでしょうかね。

そして、リメイク1で作中最強レベルの強さと哀れな境遇を見せてくれたリサ・トレバー。
映画版ではバーキンにウィルスを投与され続けた存在として忠実に再現していましたが、「敵じゃありません」
CM見たらてっきりラスボスか物凄く強すぎる敵っぽい感じで演出されていたので特に期待値が高かったんです。

しかし蓋を開ければ「孤児院時代のクレアのお友達」という。なんですかそれ。
100歩譲ってリサ・トレバーを化け物よりも本来の女の子として描くのは良いと思います。
ただ、あの絶望的な原作の強さはクレアを助けるためにリッカーを倒すのではなく、主人公勢に向けてほしかった。
しかも背中からネメシスでてないし。というか孤児院で普通にリサが生活(隔離とかされてませんよ)してるのはおかしいでしょ。
そこは変なアレンジ加えないで洋館っていう閉鎖空間で登場のままにしてくれよ。

フォローするのであればビジュアルと俳優さんの演技による再現度は高いです。脚本が難ありなんですね。

その他にも
・署長が中途半端な味方になってる
・ベンベルトリッチが原作のニヒルさをどこかに落っことしてる上に普通にゾンビに食われる
・ウェスカーが本当に悪い意味でやってくれた(2回目)
・トラックの運転手再現度高いけどただのスケベ親父
・アネットバーキンが普通のお母さん
・シェリーが空気。唐突に合流したばかりのクリス(レオンやクレアとの絡みはそこまでなし。なぜかクリス)と仲良し
・クレジットに登場するエイダ。俳優さん批判をするつもりはありませんがリー・ビンビンは良かったんだなとしみじみ。

キャラに対して思ったことはこんな感じでした。
その他にもあったかもしれませんが、割と早い段階から真面目に見ていないので、人によってはもっとあるかもしれませんね。

一応、警察署や町全体の作り込みはかなり良くて、Gやリッカーの見た目も文句なしでした。

一方、最後の批評として言っておきたいのは、「ファンが喜びそうなネタをとりあえず入れとけばいい」みたいな精神が見え見えで
「俺たち知ってるよ」みたいな制作側の意図がすごく鼻につく。

・「かゆうま」を日記ではなく半分感染したゾンビに言わせる。
(ジワジワ感染していく人物が半死半生で言うなら最高なんですが、走って飛び掛かってくるゾンビっぽい女性が割と勢いよく言うのはなんか違うよね)
・アシュフォード兄弟が突然の映写機で登場
(孤児院にいたの?彼らはラクーンにはいないよ?多分次回作はベロニカにしたかったんだろうなーと思いつつ無理矢理と唐突感がすごい。だすならせめて資料だけでもベロニカやコールドスリープに触れておいてほしい。知らない人のために)
・クレジットでウェスカーにサングラスかけさせるにしても、薬の副作用で盲目になってる設定とかそういうのほんとにいらない。


以上、あくまでも個人の感想としてしたためさせて頂きました。
駄文になってしまい大変申し訳ございません。
また、面白さや魅力の感じ方は当然人それぞれの自由なので、私の意見がすべてではなく、どうぞご自身の目でご覧いただければと思います。

ただ、私自身20年以上バイオで遊んできて、ミラジョボ版もタイムリーに劇場で見てきた世代なので、率直に今回のリブートは残念でした。
ネットフリックスのドラマ版は期待せずに待ちます。
とりあえずミラジョボ版の今まで分からなかった良さがあらためて分かる作品でした。

余談ですが、スパイダーマンNWHとほぼ同時期に見てしまったのも良くなかったのかもしれませんね。あっちは史上最高傑作の1つなので、見て損はありませんよ。
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