ししまる

映画大好きポンポさんのししまるのネタバレレビュー・内容・結末

映画大好きポンポさん(2021年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

ひさびさに映画館。

徹頭徹尾映画界の成功者を描くことで、自らの映画論を語る映画。
ララランドと題材は似てるけど方向性は違うかなと思う。
俺は映画が好きだぜ!!という熱い思いを観客に投げつけていくスタイルは同じ。

アニメーションの快楽がすごい良く、まずそこが好きだった。
これは単なる妄想なのだけど、
ディズニーのような実写のような説得力をアニメに持たせる映像がかなり成功している中、今アニメ映画を作るとなると、やはり実写ではひっくり返ってもできない場面転換とかカットとか増えてきてるのかなあと思う。

内容としては………
映画作品としてはすごく良かった。
多分そもそもの原作?ストーリー?にあまり乗り切れなかった。
特に好きも嫌いもない素直なストーリーだし、
何か文句を言うのが野暮なのかもしれないけど、
なぜか好きなところより嫌だなと思ったところが頭に思い浮かんでしまう。
全体的に見れば結構好きだったのに。
疲れてるのかもしれない。

・いくつかのストーリーの盛り上がりポイントがなぜか私の盛り上がりたいポイントとちょっとずれていた。
・声付きの音楽で盛り上げるの新海誠とかプロメアとかよくあるけど、盛り上げたいという制作者の意図を感じてしまって少し引いてしまうし、それがなんども繰り返されるので、
ど、どこで盛り上がれば…という気持ちに。
まあ泣いたんだけど。
・長時間労働賞賛は良くない。
創作といえば不健康、病めば病むほどいい作品ができるみたいなの、人類が卒業すべき。
ご飯食べてゆっくり寝て。  
・ポンポさんの映画論が単なる映画好きの凡なる私には全然合わなかった。
3時間くらいあるバーフバリもリーマントリロジーも21世紀宇宙の旅も面白かったので。
(どれもある意味特殊な映画だけども)
あと女優がきれいに撮れればいいんだみたいなやつもまったく同意できず。
(これ、作中でも作中劇でも最終的にヒロインより僕!俺!ヒロインは僕の応援。みたいになってたのでやっぱ否定されてる気がする…)
作中の神であるポンポさんを信仰できなかった。
・90分で済ませるために大俳優のおじさんがほんとにただの女好きおじさんになってしまった感
・女体の消費…
・また女が性と聖を担わされてるな…と思った

映画のことがすごく好きなことが伝わってくるので、その分批判しちゃいたくなる感じ。ちゃんとわかって、考えて作ってるんだから言いたくなってしまう感じ。
作家性がつよめの作家って処女作自分語りしがちだよね〜
ししまる

ししまる