このレビューはネタバレを含みます
アニメ映画で評価が高かったのでU-NEXTで視聴。
映像や音楽の綺麗さ。映画の尺や情報量をあえて絞ることで、爽快さやテンポの良さがあり終始安定して見ていられた。
時間を奪い合うエンタメ業界のマーケティング施策として、思考リソースを奪わないライトさを色々な意味で体現している点が、デジタルネィティブを魅了するのではないかと思った。
【細かい感想】
■プロデューサー視点
・デジタルネイティブを顕在視聴層として想定している演出にマーケティング感覚を感じた。ポンポさんはプロデューサーでもある訳で当然そこは考える訳です😁。YouTuberなどが人気職業の今だからこそ、この訴求が刺さるのかも。
・デジタルマーケティング、ブランディングをショーに見立てるプレゼンシーンもその延長線の考え方に見えますが、お仕事ものアニメとしては新しい視点。
■ディレクター視点
・映像編集のタイムラインを時空間や想いに見立て、分かりやすく映像表現できている点がギミックとしてカッコいい。
・映像やサウンドともエフェクトが綺麗。「君の名は」の早回し(タイムラプス)シーンは、映像美はあったが必然性が感じられずあまり好みではなかったが、本作は映画の編集が題材としてあったので違和感がなかった。
■個人的感想
・さらりと映画の編集(もっと拡大解釈すると人生) は「選択」の繰り返しであるというメッセージを織り込んでいる。監督の作家性として物事を「引き算」として捉えているのかなと感じられた部分であった。
・声優さんの声のミスマッチ感が少し感じられた。
・ライトさに重きを置いているので、深さ的にはSHIROBAKOやシンエヴァのドキュメンタリーの方がリアリティ(のある虚構)や感情が感じられ、個人的にはそちらの方が好みではある。