凄惨な展開と演出、暴力的な極論の応酬でなかなか酷いと思いました。
具体的に挙げると、まずトレイラーを作る件。誰にも批判される事なくそのまま大作の監督を任されるという流れですが、この時点で視聴者は登場人物たちの何がそんなに凄いのか判らない状態なので、その才覚や特異性を示すために「散々酷評される中彼女だけがある箇所を評価しその一点が開花する事で彼にしか作れない傑作になる」というストーリーラインであるべきではないでしょうか。
周りを含め いいね じゃ引き続き映画も となるなら彼らの感覚は常人並みでしかない事になりますし、そもそも自分だけかもしれませんが実際に出来上がった映像を観てもトレーラー、映画共に1mmも凄いと思えませんでした。
また、自他共に認める世界一の俳優という設定。異なる魅力を持つ多様な俳優さんを観てきた「映画好き」なら自他共に絶対に使わない表現ですし、さらにはリア充にクリエイターの資格はないと発言したり、自分達の作っているものをB級とカテゴライズしたりと漂白された"シネフィル像"に深い絶望を覚えます。
他にも枚挙に暇がないのですが .. とりあえず映画の中で「賞を取るような映画」を描くという無謀さを確認できたという意味で観てよかったです（？）。
