エンタメとしては面白かったけどテーマに共感できなかった。
"社会不適合"という枠を作ってそれを肯定することは一見素晴らしく思えるが、それが主流となった時に今度は社会に適合している人たちを否定することにもなると思っているので、やや排他的な作品だと感じた。
まさしく銀行員パートの彼がステレオタイプな描き方をされていると思ったし、物語の装置として配置された感が否めなかった…
クリエイターの情熱があれば全てを切り捨てても許される、という描写は成長過程としてならわかるが、そこをゴールにする作品はやや独善的で幼いものなのではないかと思ってしまった。
現にこの作品は自分にはアニメとしてのクオリティがすさまじかったのに反して都合が良い展開が続いて心から共感はできないものだった。
何かを、時に人間性をも切り捨てることは、質や骨組みを育てることにはなるが、コアとなるものや感情の豊かさは小さくなり減ってしまうように自分には思える。
でも映画としては面白かった
