映画愛
映画プロデューサーのポンポさんの下で付き人をするジーン。ポンポさんはオーディションでナタリーと出会ったことをきっかけに、最新映画の脚本を執筆。作品の監督にジーンを指名するのだった。
ジーンの映画作りが始まる!
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映画は計り知れない金と人と時間を使って作られる。その裏の苦悩と狂気が凝縮された作品だった。
撮影期間は監督、俳優以外にも多くのスタッフが関わる。それだけの人数がスケジュールを合わせ、場所、機材を確保して撮影を行うのだからとてつもない労力である。
対照的に、撮影動画を切って切って切りまくる編集作業は孤独だ。みんなが積み上げたものを独断で選び、そのほとんどを捨てないといけない。無情で残酷な作業である。
その作業の苦労の果てに仕上がるのが映画なのだ。映画はただの映像作品でありながらも、人を魅了し続けてきたのは、多くの人の思いを取捨選択したからかもしれない。
なぜなら取捨選択は、映画編集に限らず、人生で必ず行うものだからだ。選択してはその他の選択肢を捨ててきたからこそ、今の自分がある。仕上がる映画は、これまで取捨選択をしてきた自分そのものといえるし、だからこそ今作は没入できるのではないだろうか。
今作は映像、アニメーションの表現がとても豊かで、映画以上に映像表現にも愛を感じる作品だった。90分間、飽きることなく夢中になって見れる良作だ。
みなさんもこの作品で夢と狂気の世界へ飛び込んでみることをお勧めする。