声優夫婦の甘くない生活の桃のネタバレレビュー・内容・結末

舞台は1990年のイスラエル、ソ連から移住した老夫婦の話。
2人の職業は声優。
映画の吹き替えなど実績を積んできたが、言語の問題もあり、異国の土地ですぐに職は見つからず、生計を立てる為に、それぞれが募集中の求人に応募してみる。

夫はなかなか合った仕事が見つからない中、妻の方はテレフォンセックスの仕事に出会う。
初めは抵抗もあり、夫にも嘘をつくものの、なんとか稼ぐ為に研究もしながら、自分の実年齢より40程若い女性を演じながら、自己流の仕事ができるようになる。

そして、他の女性達が担当を難しく思っている顧客と、真摯に向き合う中で、次第に心が通じ合っていく…。

テンポもよく、軽くクスッとなる部分もありながら、当時の移民がいかに暮らしていくのが大変だったかもリアルに描かれる。

苦難もありながら、人生は選択の繰り返し。自分で選んだ道は、パートナーでも、誰のせいでもない。
お互いの為を思ってやっていることでも、分かり合えない時があっても、
ずっと側に寄り添い続ける夫婦の、とても甘くはないけれど、ほんのり甘い生活が、それはそれで幸せなものと思える。