symax

トータル・リコール 4Kデジタルリマスターのsymaxのレビュー・感想・評価

3.7
"君は君ではなく…俺なのだ…"

また悪夢にうなされた…なぜ火星…一度も行った事がないのに…

"一生の思い出をリコール社で…"

今の生活に満足しつつも、今の姿に違和感を感じるダグ・クエイドはリコール社を訪れ、新たな記憶を刻もうとする…そう火星を舞台に…

一週間だけの突然なリバイバル公開は、日本における上映権が切れるため…そこで立ち上がったのが立川シネマシティ…4K・極音上映が、ガチで日本での最終上映なんだそう…そりゃ観なきゃとイソイソと立川へ…予想外にお客さんが多い…

ジェリー・ゴールドスミスのケレン味たっぷりのテーマ曲、CG無しでのロブ・ボッティンによる一級の美術品のようなSFX、初々しい美しさで魅せるシャロン・ストーンのハイキック、憎々しいマイケル・アイアンサイドとロニー・コックスの悪役ぶり、ポール・ヴァーホーヴェンの容赦ない演出でエグ過ぎる殺され方…そして…シュワちゃんの見事な大根役者ぶり…カルロコが最も勢いのあったあの時代に、トンデモない勢いで魅せまくったSF大作の面白さたるやも〜ねぇ…

改めて鑑賞すると、現実なのか、ヴァーチャルなのかその境界が曖昧なようでもあり、よく練り込んだかなり出来の良い脚本なのだと感心します。

30年以上経っても色褪せない魅力がそこにはあります。

CG全盛の現在の作品しか知らない人には、この手作り感覚の芸術はわからないかも知れませんが、今後、劇場でこの作品を鑑賞することが出来ないと考えると今日鑑賞出来た幸せをしみじみと感じるのでした…明日、2023年6月30日が期限切れらしいです…是非、劇場で最後の勇姿を…
symax

symax