作品が登録されたので、以前、投稿したものに、加筆・修正をして再投稿。
(オムニバス映画『TOKYO TELEWORK FILM』の一編でもあるので、以前の感想は、そちらに。)
[あらすじ]
自粛生活を機に、距離感が離れてしまった夫婦。
一人寂しく生活を続ける夫は、知人からのアドバイスを受け、オンラインラウンジなるものに参加するが……。
[概要]
自粛期間中、オンライン映画館”STAYHOME MINI THEATER”の上映向けに作られたリモート短編映画のひとつ。(本作のみ、後に『ATEOTD』の同時上映として劇場公開。)
斎藤工さんが企画・プロデュースを担当し、彼と数多くの作品を製作してきた清水康彦さんが監督を務めている。
キャスト陣の多くは、同時期に作られたリモート映画『C●RONAPLY+-ANCE』 などと共通しているが、『映画工房』で斎藤工さんと共演していた板谷由夏さん、清水監督のドラマに出演していた筧美和子さん、同監督がドキュメンタリー映画を製作したSAKANAMONさんが音楽を手掛けるなど、作り手と馴染みが深い面々が集合している。
[感想]
個人的には、これまで観たリモート映画の中で、一番面白かった。
冴えない既婚中年男性と、彼を惑わす若い女性。
孤独を埋め合うための何気ない会話によって、主人公が自分を見つめ直す展開、絶妙に現実離れしたヒロイン像が好みだった。
なんといっても、SAKANAMONさんの哀愁漂う主題歌、ならびに劇伴曲が素晴らしく、欠点の多い主人公が憎めないのは、この音楽の影響も大きいように思った。
[他のリモート映画との差別化]
リモート映画であるため、画質の問題や、固定カメラという制限はありつつも、様々な創意工夫がみられるのは、本作の長所。
オンラインラウンジ「DISTANCE」のサイトを表示したり、LINEのトーク画面・携帯でのビデオ通話を写すなど、画面が退屈にならないように、様々な仕掛けが施されているのが良い。
また、リモート映画を「人と人との"距離感"を描く映画」と見つめ直した題材そのものが興味深い。
「物理的な距離が離れていても、精神的な距離を近づけることが出来るのか?」という普遍的な内容は、数年後、数十年後に観ても、共感できる作品なのではないかと思った。
参考
斎藤工の地球の寿命-開放区- #14の詳細 | ビデオ | ひかりTV
https://www.hikaritv.net/video/detail/dm9kLzAwMDAwMDAwMDBfMDBrY211amUydg
(『でぃすたんす』は、ここからレンタル鑑賞可能。)
SAKANAMON / ディスタンスMV
https://youtu.be/L7fUqxRr-yY
(『でぃすたんす』主題歌のMV)
2021/1/11
#シリーズ:コロナ禍の作品 と #シリーズ:リモート作品 を追加しました。