どど丼

悪の絵のどど丼のレビュー・感想・評価

悪の絵(2020年製作の映画)
3.5
東京国際映画祭2020にて鑑賞。

犯罪者に表現の自由は認められるのかを追究した作品。これ本当に難しい問題で、日本でも近く作中に登場したような個展の開催が発表され炎上したばかりとあって実にタイムリー。最近は映画やドラマでもお蔵入りの可否が良く槍玉に上がりますが、あまりにこのケースが多いからか重大犯罪でない限りその辺りは区別しようという風潮が高まっていたり。日本だけの話じゃないんですね。

作品自体の感想。テーマとしては惹かれるけどパンチは強くない、かといって悪くはない。後半で主人公と受刑者両者の感情の揺さぶりや軋轢がアーティスティックに描かれていたのは好み。ただ前半がテーマ性をあまりに普通に描きすぎていて、つまらない訳ではないが少々退屈。結末もまた煮え切らない。良い所もあれば悪い所も目立つ、でもテーマが良いから観てしまう、そんな作品。好きか嫌いかで言えば好き。
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