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トゥルーノースのmingoのレビュー・感想・評価

トゥルーノース(2020年製作の映画)
3.5
高校生以上の必須映画にすべきだし鑑賞者はアウシュヴィッツの悲惨なおこないを北朝鮮という国が準えてることに改めて考えることになる。ただ「表現物」としては遺憾なく秀作だと思うが「映画」としては認めたらダメなように感じる。監督はGoogle公認の認定講師なのでマーケティングが長けすぎてて(人物設定、物語構成、脚本どれも素晴らしい)お涙頂戴アニメで終わってる気がしてならないのは自分のこの「胸のつっかえ」違和感なんだと思う。トークを聞いてそれが確信になった、事実は「史実とエンタメの乖離」が凄まじいはずだよ

トークメモ2020.11.3
北朝鮮の実情をなぜアニメーションでやろうとしたのか。人権侵害の理解はこころに響かないと動かない。南にいる脱北者や元看守などにインタビューをした。昔話みたいなものを聞いた、連帯責任制(三世代制)は言い方が悪いがうまいなと思う。坂本龍馬とかマリーアントワネットとか革命にもえた人がいたが、それが出来ない制度設計が凄い。政治の話はせずにヒューマニティーの話をしようということで作った。アウシュヴィッツに捕まっていた心理学者ヴィクターフランケルの著書を思い出した。ひとつは芸術の力、音楽とアートの力。ふたつめは「夜と霧」の印象を強めた。北朝鮮の手記をみると絶対数が少なくてホロコーストなどの手記をみた。生き延びるタイプと死んでしまうタイプ、意味を見出している人は生きれる。そこにインスピレーションを得た。ポリゴンルックにした理由はディズニーやピクサーなどのツルツルにしたものだとどぎつくなりすぎてしまうため、拷問シーンなどリアリティは見せつつもバリアを張るということでポリゴンルックにおさまった。ミヒが壁に押し花をするというのはどんな悲劇の中でも美しいものを見つけるという設定だったため。ラスト天を見上げて描写は鑑賞者自身に向けられ自由な人が不自由な人を助けないと誰が助けるの?というメッセージ。
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