とりん

タイムのとりんのレビュー・感想・評価

タイム(2020年製作の映画)
3.4
2021年41本目

罪を犯したとはいえ、その罪にそぐわない執行猶予も仮釈放もなしというあまりにも重たい刑罰に納得できず、その後も厳しい現実や状況に向かい合いながらも、強く生き続ける女性を描いている。
夫が収監された時は子どもも小さく、双子も身篭っていた。それでも彼女は刑務所にいる夫に支えられながら、女手ひとつで育ててきた。
そんな彼女の姿に心打たれる。
月に2回2時間ずつしか会えないという、面会時間すらも短い。
黒人差別はこういうところにまで影響を及ぼしているのかと思うのかと驚くし、それが今なお改善されることなく残っていることに大きなショックを受ける。
でもちょっと説明不足感は否めないし、子ども6人いると言いながらもほぼ3人しか出てこないので、あとの3人はどこから生まれたのかとか気になるところたくさん。自分の理解力がないからかもしれないが。
だから彼女の強さにはグッとくるけど、思ったよりは響かなかった。
それでもラスト、夫が家に帰ってくるシーンでは思わず泣きそうになり、目頭が熱くなったものだ。
全編モノクロってところも良いし、編集の仕方も凄く良い。そして音楽が素晴らしくて、彼女の強さと儚さをより引き立たせてくれた。
とりん

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