東京国際映画祭にて鑑賞。
TOKYOプレミア2020よりスペイン映画の『マリアの旅』。
スケジュールの合間で鑑賞できる作品だったので鑑賞することに。正直なところ、内容的にあまり嵌まらないかなと思っていたので、期待値は低めでの鑑賞。
結果、予想よりは嵌まりましたが、やはり絶賛には至らずといったところでした。
邦題の通り「マリア」という老齢の女性が主人公。ある日、心臓発作により入院した彼女は「ヴェロニカ」という若い女性と同室になり、交流を深める。マリアの退院後、ヴェロニカは容態が急変して逝去。身寄りのない彼女の埋骨のため、マリアは旅に出る・・・という話。ここから先は既に御察しの方もいると思うけれど、旅先での経験を通してマリアが自身の人生と向き合う物語が展開される。
正直なところ、題材としては手垢の付いたもので新鮮味は感じず。ただ、同様の題材を娯楽色を強めに描く作品も多い中にあって、今作はアート色が強めで淡々と事象を映していく。特に旅をする原因となる「ヴェロニカ」の存在を全面に出す訳でもなく、何か主人公に決定的な出来事が起こったりする訳でもなく、心の変化を静かに描き出す。この描き方は1つ特徴的だ。
しかしながら、どうしても話の全容は透けて見えてしまっているので、旅に出てからの展開には少し退屈してしまった。
逆に前半のマリアとヴェロニカの交流描写の方が、個人的には興味深く鑑賞できた。
まだもう一度映画祭期間中に上映が予定されているので、気になる方はぜひ。