★明日を健康に生きられる保証なんて、どこにもない。
だから後悔しないように生きたいと、強く思わされた人生映画。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
大人になるにつれ、自分の行動から"無駄"が排除されるようになっていった。
例えば、あまり好みじゃない人たちとの飲み会には参加しなかったり。誘われた旅行を断ったり。
けれど、これまでの人生を振り返ると、そんな一見"無駄"に思える誘いが、大きな転機となっていたことに気づかされる。今の親友との出会いは、めんどくさい飲み会に参加したことがきっかけだったし、一生忘れられない旅の思い出も、ノリで参加したからこそ得ることができた。
本作に登場するカップルは、男性側が余命宣告を受けていながら、結婚式を開催することにする。初めは男性も開催を否定していた。意味がない、君に迷惑かけるだけだ、と。しかし式を終えた後、「やって良かった」としみじみ呟くのだった。噴水のシーンは、あまりの美しさに涙した。
人は未来がある前提で計算し、損得勘定で動いている。しかし、そもそも未来が保証されている根拠はあるか。そう、ない。だったら、衝動の赴くままに生きた方が、かえって得ではないか。
"無駄"を愛し、今を生きる。まだ見ぬ光景に、あとどれくらい出会えるだろうか。