ねこ無双

血の本のねこ無双のレビュー・感想・評価

血の本(2020年製作の映画)
4.0
クライヴ・バーカー
(ヘル・レイザーやミッドナイト・ミートトレインなどで知られる)のホラーアンソロジー「血の本」をベースにした3つのオムニバス。

それぞれの話の始め、小タイトル画面には人間の皮膚が裂けて血文字が浮かび上がっている仕様。
これの意味はのちのストーリーで明かされる。

一話目最初はよくあるスリラーに思えていたんですけど、二話目、三話目と進むにつれて、その予想外の展開と、三話目にお互いが絡み合う構成にわくわくさせてもらえました。
一話目の前にスターターとなる話があって、それがまた三話目として展開されます。
グロ度は控えめではあるけど、クライヴ・パーカー自身が製作も兼ねているせいなのか満足度が思っていたよりも高かった。

どれも一つの町で起こっているんだけど、観終わった後はこんな町に足を踏み入れたくないと思ってしまいます。地獄の門のような。
霊たちはCGかな?その描写はちょっとちゃちい感じはありますが、皮膚に血文字がほとばしっていく描写にはおおっと思わされます。

「ジェナ」
家から夜行バスで逃げてきた女性。
彼女はミソフォニアという持病を持ってて、抗不安薬を処方されてる。ヘッドフォンが手放せない。
(咀嚼する音に耐えられない。音を嫌悪する脳神経の病気)
不安になると幻覚まで見えてしまう…
ロサンゼルスに向かう予定だったが、バス内の音に耐えられず途中下車。
その町のカフェから宿泊予約サイトで彼女を受け入れてくれた家は、アットホームな雰囲気。
出迎えてくれた老夫婦の計らいで癒されていくジェナだったが、ジェナ、老夫婦、双方には誰にも言えない秘密があったのだった。

幻覚?悪夢?
ゴキブリの幼虫の大群。
眼球と舌と耳が…。
人生の苦悩からの解放。

「マイルス」
幼い息子マイルスを病で亡くした母親。
彼女が教授として在籍している大学に見知らぬ男性が訪ねてくる。
彼は死後の世界にいるマイルスと交信できると告げ、それを目の前で実証できると言う。

死後の世界に魅入られる人たち。

「ベネット」
取り立て屋のベネットは取り立て先の本屋の店主を殺害。
命乞いをしていた店主が口走っていた大金になるという本を探しに町にやってくる。その目的の本「血の本」があるという住所の家に押し入るベネットだったが…。

大量ネズミ発生シーンはうえぇ〜となったけど、短くて意外と耐えられた。もっとカメラ寄ってたら耐えられなかったかも。