ポンヌフ

あこがれの空の下 教科書のない小学校の一年のポンヌフのレビュー・感想・評価

4.1
緊急事態宣言の中やっているミニシアターを探して、初めて田端の映画館に行ってきました。

とても素晴らしい映画でした。

和光小学校の先生方がとても素晴らしくて、子供たちの疑問ひとつひとつに丁寧に向き合いながら授業の内容に盛り込んでいくのは、本当にすごいなぁと感心しました。

決まったルールや公式を教え込むのではなく、自分たちで考えさせてルールも決めさせている。
うまくいかなかったことも意見を出し合って協力して、その答えが出たときの達成感が子供たちの自信につながり、しっかりと成長させているのだと思いました。

もう遅いのですが、うちの子供たちもこの学校に入れたかったです。そして私もこの学校に行きたかったです。


ちょうど昨日、私の担当するクラス(留学生に日本語を教えている)の子たちと話をしていて、中国や韓国の子たちは、小学校の頃から朝早くから夜遅くまで勉強していると言っていました。高校生なんて夜中の11時までだそうです。休憩もほとんどなく、ゲームなんてする時間もないと。日本の中高校生は、アフタースクールに部活とかあるんですか?とも言っていました。

そんなに毎日毎日ずっと勉強しているんだと驚きました。たしかに中国、韓国の子は英語はペラペラで、休み時間に他の国のクラスメートと話をしているのを見て、羨ましいなと思うことも多いです。一方で、欧米の子たちと授業中の態度やコミュニケーションの取り方はやはり違います。

どちらが良いとか悪いとかは別として、自分が育ってきた環境で、こんなにも違うんだなと思うときもあります。
しかし、zoomのカメラもOFFにすることが多くほとんど発言しないような子や、クラスで勉強についていくのが大変で半ば放棄してしまっているような子でも、こちらの引き出し方や褒め方ひとつで、笑顔を見せてペアワークをしてくれるときもあります。もっともっと魅力的な興味をひかれる授業をしたいなと思います。

和光小学校の先生たちのように、ひとつひとつ子供にとってどの方法がいいのか、興味をどうやって引き出すのか、それを考えて準備するのは本当に大変だと思います。

でも、みんなキラキラした目で「ちいちゃんのかげおくり」を聞いて、その後校庭でみんなで空を見上げて歓喜の声をあげる姿をみて、ただ教科書を音読してこちらが求める答えへと誘導する授業との違いを見せつけられた気がします。

今自分たちが生きているこの場所、この世界は、どのような人たちがいて、どんな歴史があって、どのような思いで生活しているのか。
沖縄へ行った後の子供達のしっかりとした大人顔負けの感想、意見を聞いて自分が恥ずかしくなりました。

見に行って本当によかったです。
ポンヌフ

ポンヌフ