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アムステルダムのCOLORofCINEMAのネタバレレビュー・内容・結末

アムステルダム(2022年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

●久々にゆる〜いスペシャルな映画を見た。ほとんど出オチのような人までいる豪華脇役。おっ!いよいよサスペンス盛り上がるぞー、というところでの本筋からの逸脱、底ぬけ脱線ゲーム。「ほとんど実話」触れ込みの証明は実際のディレンベック将軍スピーチか。ちなみにロバート・デ・ニーロ演じるギル・ディレンベック将軍のモデルとなっているのがスメドレー・バトラー少将。書かれた本(小冊子)のタイトルが「War is a Racket(戦争はいかがわしい商売だ)」実のところ本作、そのままテーマになってたりする。
●昔から「三人寄れば文殊の知恵」と申しますがバート、ヴァレリー、ハロルドはひとりでも欠けちゃーダメ。揃うとショットもキメキメ。ルベツキ撮影が遊びに遊ぶ。アートの隠し味からサイレント映画、王道の劇場で起こるサスペンスまでスルリと見せる。
観客選ぶタイプの映画だと思うけど自分は楽しめた。ラスト、アップのひと言で呪文も解ける(溶けた)仕組み。いろいろ小さく映っているものがありそうなので大画面推奨。
●「ほとんど実話」を裏返してみると「細々としたところは脚色」「 Gerald Macguire 」あるいは「Business Plot 」で検索すると本作の元となった話が出てくる。残念ながら日本語での詳しい解説は見当たらない。このあたり、パンフレットが作られていたら相当、興味深いものができたはず。確かに史実として陰謀はあった模様だが、実際はスメドレー・バトラー少将が証言したことによるもの。それを再現&ニュースフィルムで見せたエンドロールの見事なデ・ニーロ シンクロリップ芸とも呼ぶべきディレンベック&バトラー並列シーン。
●あと、となると、ギル(デ・ニーロ)の家に通っていた階段下の「あの鞄の人」が実際の人物ということになるのかな?
●本作と同じ「Business Plot 」を元とした1977年のテレビ映画『The November Plan 』パイロットエピソード「11月の計画」見てみたい。
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