豪華すぎるキャスト陣による実際にあった(？)政治的陰謀を描いた作品。売れそうな予感はするが、残念ながら興行成績は爆死。評論家の評価も得られず。実際に観るとその理由も分からなくもないが、個人的には割と気に入った作品だ。
映画的に賛否あるのはこれが事実かどうかという部分もあるだろうが、それ以上にこの映画が非常にスロースタートなとこだと思う。事件は割とすぐに起きるのに、話がしっかり展開するのが後半40分くらいになってからだ。そこまでは主人公たちが誰かと会って話すが事件の全容が掴めず、また違う人に会いにいくという連続。正直ミステリーとしては微妙だ。
では、どこが気に入ったのか。全貌が掴めないまま微妙に噛み合わない展開が多いのだが、それに反するかのような温かみのある映像。俳優たちのどこかリラックスしたような演技。このどこか気の抜けたテイストが僕にはしっくりと来たのだ。正直物語のフォーカスをどこに合わせているのかがハッキリしない部分も多々あるが、それを含めてなんだか憎めない。
戦争、ファシズム、人種差別などのテーのうちどこかにフォーカスが当たってると良かったかも。大部分事実を元にしているらしいが、正直大部分がフィクションな気もする。だが、苦難の中でも友情や愛を見出した三人の物語の僕の心は十二分に温まったのだ。
