あき

私は確信するのあきのレビュー・感想・評価

私は確信する(2018年製作の映画)
4.0
映画の場面は”法廷・ノラの自宅と職場”にほぼ限られ、しかも登場人物の身体的なアクションに頼らず精神的な動向だけでこれほど息を呑む緊迫感に溢れた作品は稀有ではないのか。
場面の切り替わりが少ないためにまるで舞台を観ているかのような臨場感とともに、全編通じて緊張感が張り詰め、弛緩するシーンなど微塵もない。
この法廷劇を観ながら、根拠の裏どりもしない情報があたかも真実のように流布し、標的となった人物が社会的に抹殺されるまで一瞬にして非難と誹謗中傷の津波と化す現代のSNS社会を見ているようで、フェイクほど刺激的な情報はないためにそれに流される大衆、それに対峙するために真実・事実をひとつずつ涙ぐましく積み重ねて提示していってもなかなか人の心に届かないジレンマという構図のなかで、本当に大切なことはなにかを考えさせられる。
あき

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