爆裂BOX

ダウンの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

ダウン(2001年製作の映画)
3.5
ニューヨーク・マンハッタンにそびえるハイテク装備の最新鋭超高層ミレニアム・ビルでエレベーターが誤作動を起こす。整備で訪れたエレベーター技師マークはこのエレベーターに何か異常な物を感じるが…というストーリー。
ディック・マース監督が自身のデビュー作である殺人エレベーター映画「悪魔の密室」をハリウッドでセルフリメイクしたパニックホラーです。オリジナルは未見ですが、ストーリー展開はほとんど同じなようですね。
最新鋭超高層ビルで不可解なエレベーター事故が相次ぎ、異常を感じたエレベーター技師マークと事件を取材する女性記者が事件を追っていくという内容ですが、このエレベーターの暴れっぷりが見所ですね。妊婦さんたちを閉じ込めて空調を止めてサウナ状態にして、産気づいた妊婦さんが破水して、エレベーターを開けた警備員たちが驚いた表情をするカットからジュージュー肉焼くショットに変わる悪趣味な感じは結構好き。盲人や子供も容赦なく犠牲になっていきます。盲導犬が引っ張られて落ちるシーンは可哀想すぎでした。エレベーターのドアで首挟んで降りてきたエレベーターの箱で首チョンパすしたり、ローラースケート履いたバカガキを吸い上げて展望台から射出するシーンはどういう原理かさっぱりわからないけど豪快過ぎる殺し方でしたね。満員のエレベーターが急上昇しながら床が開いて乗客が落ちるシーンもインパクトありました。ていうかエレベーターの床ってあんな開くの?(笑)でも可愛い幼女は扉開閉してからかうだけで殺さなかったり、ロリコンかな?
ジェームズ・マーシャル演じる主人公は軽い感じで本当にさえない印象でしたな。ナオミ・ワッツはヒロインだけど主役ではなかったな。可愛かったですが。
登場人物が多くて冒頭や序盤の方のアホ警備員二人の下りや、主人公の親友で同僚の元相棒の話とか割と尺とって描く割に対して物語に活かされてる感じしなかったり、登場人物も多くてビルのオーナーとか事件を追う警部とか重要そうな感じで出すわりにそんなに意味なかったり、後半登場しなくなったりと余計な枝葉が多いのでテンポがかなりのんびりしてる印象。この監督の他の作品でもそういう印象あるから、これはもう監督の持ち味なのかな。ロン・パールマンも事件に関わってるっぽいけどそこも深く言及されませんでしたね。ちょっともったいない使い方だったな。黒幕のマイケル・アイアンサイドと同じ車内で並んで会話するという濃すぎるカットは見物でしたが。
エレベーターが殺人犯すようになった原因は滅茶苦茶というかかなりぶっ飛んでますが、バイオチップに何使ったのかとか何となく想像は出来るけどぼかされてたり、結局黒幕が何したかったの今イマイチわかり辛かったりとどうにもスッキリしない所はありますね。
後半は大統領がテロであると声明出したりSWATがビルに集結したりとかなりスケール大きくなっていきます。主人公が元海兵隊という設定活かした終盤のバトルアクション展開は中々楽しめました。炎を纏って急降下してくるエレベーターや触手のように動くケーブルなどの描写も楽しいですね。ラストはちょっとアッサリし過ぎな感じはあるけど。
テンポがゆったりでランタイムも長めですが、面白くないことは無いので殺人エレベーターという題材に興味ある人はそれなりに楽しめるんじゃないでしょうか。