河

開いた口の河のレビュー・感想・評価

開いた口(1974年製作の映画)
4.8
母が病気でジリジリと動けなくなって死んでいく映画 冒頭の直感的に死を自覚してる母とそれを知ってる子の間の会話のあの気まずさと親密さが同居する会話のセンチメンタルさに対して、それ以降その母の死に映画的なドラマが一切ないし、段々と理性が衰えて動物的になって最終物質に返っていくような過程を見せられる

子とその妻と父と叔父がいて、モテるし浮気症な男性とそれに嫉妬し続けた結果家系の女性同士でも嫉妬し合うような家系があって、だからそれぞれに母への距離感があってそれぞれの悲しさがあるけど、同時に死ぬまでに暇な瞬間もあって、ある程度死に対して誠実に振る舞うけどそうできない瞬間もあったりとか、この悲しさと暇さとか、死への建前と本音の違いみたいなものが同時に感情として存在するような時間感覚、死んでやっと静かにドラマ化するこの映画自体の構成含めて非常にリアルな映画だと思った

この幽霊みたいなカメラワークどっかで見たと思ったらアルフォンソキュアロンのローマだった ほとんど動かないし動いたとしても血の通ってないような動き
河