みむさん

アルゴンヌ戦の落としもののみむさんのレビュー・感想・評価

アルゴンヌ戦の落としもの(2016年製作の映画)
3.5
「君を想って海をゆく」の脚本を手掛けたエマニュエル・クールコルの監督・脚本。

第一次大戦の戦争の傷を負った兄弟のドラマ。
戦争関連映画だが、戦争後の話。

西アフリカに残った兄ジョルジュは戦友を思わぬ形で失い、フランスに帰国するもあまりにかけ離れたテンションの町の様子に幻滅し怒りを感じ、弟マルセルは戦争のショックで失語症になっている。

せっかく生き抜いてもその苦悩を分かち合える者はいない、一緒にいても理解し合えない、戦争の痕跡は第三者の想像できないほど深いのだなと改めて感じる。

マルセルが心に傷を負いながらも前向きに見えるのがせめてもの救いかと思ったが。

希望が見えた矢先の出来事に言葉が出なかった。

うちひしがれる辛すぎる話だが、こんなフランスにいるくらいならせめて戦友のために何かを、戦争の後始末を…と、ロマン・デュリス演じるジョルジュが仲間たちを思い続け芯が通っていて好感。