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ザ・スタンド 連続殺人犯の元カレと妄想症に悩む私のJunのレビュー・感想・評価

3.9
凄惨な事件を経て生き延びた後からヒロインの物語が始まる異色スリラー。ネタに走ってしまったジャケットデザインと邦題には頭を抱えたくなるが、間違いなく良作である。幻覚と現実の判別に惑う前半から徐々に姿の浮かび上がる元カレ=殺人鬼。その影が忍び寄る演出がとても良く、真綿で首を締められるような恐怖が堪能できる。ドライブ感の増す後半は容赦ない激痛描写が襲い、ほぼガス・スタンドに限定された舞台設定もヒロインが抱える閉塞感とマッチしており効果的だ。演じるヴァネッサ・グラスの佇まいが美しい点も見逃せない。
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