そもそも誰が観たかったんだ、この続編は。
1作目のヒールキャラを子供と絡ませてベビーターンさせる2作目って『ターミネーター2』のそれなんだが、あれは再プログラムしたロボットなので筋が通るけど（俺は嫌いだが）、今回はあのキチガイ老人の延長なので、いくら何でも無理がある。彼も反省してるんで、と言われた所でどういう気持ちで観れと。敵味方全員悪人みたいな思い切りもないし。普通に前作のフォーマット強化させる続編で良かったのでは。息すら出来ない、って緊迫感が長所だった前作とは、視点が変わった事で見せ方から何から別モノに。じゃあ盲人アクション映画として特筆すべき点があるかと言うと微妙。おもしろ殺人術も中途半端だし。前作から更に『パニック・ルーム』っぽくなった室内隠れんぼのワンカット風シーンが見せ場にはなってるんだけど、もう少し上手く出来そう。基本、画が狭い。何かが入って来る余地がない。初監督作なので習作みたいなものだけど、導入部のドラマパートも間延びして鈍重だし、あまり才能は感じない。あと人間の頭をかち割ったら中途半端に映さないでしっかりと見せるべき。ギャスパー・ノエに怒られるぞ。犬にだけ優しいのも大人の事情見え見えでシラケる。
