ヒューマン・ボイスのジャンのレビュー・感想・評価

「安心して。メディアに言ったりはしないから。いや、もちろん言うつもりはなかったわよ。ちゃんと言った方が安心だと思って。」のように、主人公の感情がまとまりを欠いたままあっちこっちに揺れ動くのが、リアルタイムで畳み掛けるようなセリフとして出てくる脚本の緊張感が面白かった。
カメラもティルダ・スウィントンも動き回っているが、時にクロースアップで捉えられるティルダの顔の表情のシワを始めとする物質性が際立っていた。