ももみ歌と映画とアート

ヒューマン・ボイスのももみ歌と映画とアートのレビュー・感想・評価

ヒューマン・ボイス(2020年製作の映画)
4.0
ジャン・コクトーの戯曲「人間の声」に基づくとのこと。30分と短く、ティルダ・スウィントンが演じるヒロインは一体どうなるのか…と見つめていたらあっという間に終わってしまいました。

同居していた恋人に別れを告げられ、嘆き悲しむ。恋人からの最後の電話でiPhoneのイヤフォン越しに喋り続ける姿は、とても危うくて、同時に気高い。ほぼ1人芝居で、緊張感を以て少しも飽きさせない演技はさすがです。
それから去った恋人を慕っていて、ヒロインの奇妙な行動に振り回されるわんこが可哀想で、感情移入してしまいました。

ヒロインの部屋が映画のセットで、上から俯瞰するシーンがあるのも面白かったです。アルモドバル監督なのでとても色鮮やかでゴージャス。沢山の絵が飾られていましたがキリコだけ分かりました。

ティルダ・スウィントン出演で覚えている一番古い映画は『バニラ・スカイ』。昔はケイト・ブランシェットに似ているなんて思っていたのですが、今やアート系の作品(アピチャートポン・ウィーラセータクン『メモリア」等)で絶対的な存在感を放つようになったなあと思います。