セッセエリボー

書かれた顔のセッセエリボーのレビュー・感想・評価

書かれた顔(1995年製作の映画)
4.2
ほっときすぎてあまり覚えていないが、やはり撮影がとにかく素晴らしかった。演者の動きに応じていざるようにゆっくりと動くその落ち着きと豊穣さにはこのうえない円熟を感じる、グッと抑えられた色彩も美しい。当然のような顔して「トワイライト芸者ストーリー」とかいう謎寸劇にシームレスに突入するのも面白いし大野一雄の浮きっぷりたるや衝撃的だったが、やはり最後の演目がめちゃくちゃよかった。役者がどう動いても画面が完璧に構成されるようにカメラを操る術を心得ているベルタやはり人間国宝だな…
助監督の青山真治は大野一雄のダンスフロアを作るのに大変な東奔西走をしたそう。この映画に携わった彼が弟子の甫木本空氏に「踊りってのは撮れないもんよ」と再三言っていたというのはどう受け止めたらいいんだろうか。