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The Most Dangerous Year(原題)のsabumasaのレビュー・感想・評価

The Most Dangerous Year(原題)(2018年製作の映画)
4.0

トランスジェンダー映画祭2023
『最も危険な年』


最も感想っぽいものから書いておくと、トランスジェンダーである子どもを持つ親御さんたちが、愛する子どもの当たり前を守るために悩みながら必死に闘う姿に胸を打たれた。

先月、日本で可決してしまったLGBT理解増進法は、その実は限りなく差別推進法であり、残念なことにトランスジェンダー差別が一気に広がってしまった。
2016年のワシントン州を舞台にしたこの映画が描くのは、目下、日本で繰り広げられる謎理論とびっくりするほど同じだったということに衝撃を受けている。

その上で、国会クラスタ的にどうしても書きたいことがある。
トランストイレ制限法案に反対を投じたひとりの共和党議員の姿勢が、なんと真摯なことか!!!
賛成派と反対派双方が詰めかけた報告集会で、 もちろんそこには訳の分からないことをわめきちらす人もいる中で、その議員は「どんな意見も聞いた上で、自分は基本的人権に準じる」と逃げずに、丁寧に自分の言葉で語っている。
何かにおいて賛否以前に、 今の日本の政治家にこうやって 自身の人間としての良心と向き合い、きちんと町の人々の声に耳を傾けられる人ってどれだけいるんだろう?
こういう姿を日本で見たいなぁ…と心から思ってしまった。

そして、性暴力防止政策?担当の人が言う「トランスの人たちを差別しても、性暴力の危険を減らすことにはならない」という言葉、その理性的な考えがどうか広い人に共有されてほしいなぁと。。。


この映画の冷静なトーンに近いすごくいい記事が掲載されていたので、最後に。。

▼性自認に合うトイレを使える国で、「トランスジェンダーのふり」する性犯罪は起きているのか
https://gendai.media/articles/-/113667
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