KARIN

セブンのKARINのネタバレレビュー・内容・結末

セブン(1995年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

んんんー!
スタイリッシュな胸糞ワル映画といえばこれ!ってくらい、ほんとにスタイリッシュに胸糞悪かった。

雨の匂いと、湿った紙のコーヒーカップ。
滲んだ血と包帯、朝のダイナー。
じんわり歪んですすれたアメリカの雰囲気。

前半は仕草がカッコいいなとか、二人の性格の差がおもろいな、とか考えながら観れるザ・刑事ドラマ。

それがだんだんキリスト教観、とくに「仕事と人間」のテーマがずーんと重くのしかかってることに気づき始める。
二人の差は単なる性格ではない。
世代による、経験による生き方の差なのだと。

するとサマーセットが過去にどんな経験をして今の考え方に至ったのか考えてしまう。
それに比例するように、まっすぐ正直に「いい生き方をしている」ミルズが心配でたまらなくなる。ただでさえ危うい性格なのに、失うものが多すぎるんだ…

ピンピンに緊張と心配の糸を引っ張り上げられ、犯人が見えたと思ったらケビン・スペイシーお前かあああ!笑
聞いてて本当に不快になるくらいの怪演でした。

さいごの最後まで踊りに踊らされ、緊張の糸は切らしてくれない。作中の人々と一体化して、考えすぎずにはいられないラストでした。

今回は仕事と宗教に重きをおいて観たけれど、他の見方をすれば見えてくるものがありそう。心は傷つくけれど、複数回見なくては…!
KARIN

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