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セブンのmitzのレビュー・感想・評価

セブン(1995年製作の映画)
5.0
デヴィット・フィンチャー監督作。キリスト教の「7つの大罪」を題材とした連続殺人事件を退職の迫ったベテラン刑事サマセット(モーガン・フリーマン)と血気盛んにギラついた若手刑事ミルズ(ブラッド・ピット)が追うクライムサスペンスの傑作です。
色彩がなく鬱屈とした街を舞台にほぼ全カットが雨という演出。終始重々しい雰囲気を漂いながら、無残な犯行現場だけを見せ殺害シーンを描かないことで緊張感の中にも一定の行間があります。
サマセットとミルズが「他人への関心(無関心)」について激しく議論することが二者択一としてラストシーンの伏線になるまでの過程。またサイコキラーであるジョン・ドウ(ケビン・スペイシー)の全能感。一度観る側の集中を外に向け、最後にド真ん中を放り込んでくる結末。青空の下で逡巡を巡らすミルズのラストシーンは映画史に残るワンシーンです。
猟奇的なストーリーでありながら、叙情的な演出が素晴らしいベストムービーのひとつです。
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