先日雑な映画を観てしまったので、キレッキレな演出の作品を観たいと思い本作を久しぶりに。
面白かった。
というか、カッコイイ映画、って感じ。
ラストのアレと陰惨な殺害現場くらいしか記憶になかったので(笑)、新鮮な気持ちで観た。
今更だけど、デヴィッド・フィンチャーは2作目から凄かったんだと改めて(いやデビュー作も結構好きだけども)。
モーガン・フリーマン演じるサマセット刑事が朝の支度をするシーンから始まるけど、ここからしてもうギュッと詰まっていて、映画の作り込みがすごいことになっていることを予感。
このサマセット刑事、きちんと生きてきたけど疲れて何かを諦めたような佇まいから、時々志村喬を彷彿させた。
ブラッド・ピット演じるミルズ刑事、若手というには経験を積んで少し仕事に慣れてきたので、ベテランの老刑事には最もウザい後輩ってのがむちゃくちゃ分かる。
この2人の地獄巡りが始まる前に、お馴染みフィンチャー作品のシグネイチャーである超カッコイイオープニングがかかるんだけど、サマセットが眠りにつく(つけない)シーンの後っていう流れがまた痺れる。このオープニングでかかるインダストリアルなテーマは90年代中盤な感じはするけど、古くなっていない。
撮影が素晴らしく、画面は意外とクリアで、記憶しているほど暗くジメジメした感じがしなかった。
ずっと雨が降っているのに、妙に湿っぽくならないのが不思議。
ずっと面白いなぁ〜と観ていたので体感時間は1時間くらいだった(笑)。もっと観ていたかった。
今思えば、ラストのアレに向けて2人の関係性の積み重ねをもうちょい描いてほしかった気もする。
エンドロール前のサマセット刑事の独白がまたむちゃくちゃ痺れる。
この世界で戦っていくぞ、という宣言の後に作ったのが『ファイト・クラブ』だと思ったら、次作で『ゲーム』ってワンクッション入るのね(笑)!