masahitotenma

セブンのmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

セブン(1995年製作の映画)
3.5
キリスト教の「七つの大罪」①LUTTONY(暴食)、②GREED(強欲)、③SLOTH(怠惰)、④LUST(肉欲)、⑤PRIDE(高慢)、⑥ENVY(嫉妬)、⑦WRATH(憤怒)をモチーフにした連続猟奇殺人事件を追う2人の刑事の姿を描いたクライム・サスペンス。
N.Y.タワーレコードの店員だったアンドリュー・ケヴィン・ウォーカーが、ミルトンの「失楽園」、ダンテの「神曲」(煉獄篇)、チョーサーの「カンタベリー物語」などの古典を読み込んで書き上げた脚本をデヴィッド・フィンチャー監督が映画化。
カイル・クーパーが担当したオープニングクレジットは、ナイン・インチ・ネイルズの「クローサー」のリミックスヴァージョンをバックにしてノイズを活用した映像表現になっている。
欧米で"ブリーチ・バイパス"と呼ばれる"銀残し"を多用し、常に降り続くように見える雨や暗く雑然として室内や町並みなどを表現した重苦しい映像で、「ブレード・ランナー」の延長線上にある世紀末を感じさせる陰鬱なアメリカの町が舞台。
エンディング曲はデヴィッド・ボウイの「ハーツ・フィルシー・レッスン(心での淫らなレッスン)」。
原題:Seven(劇中表記はSE7EN)(1995)

~主な登場人物~、
・若手刑事デビッド・ミルズ(ブラッド・ピット)
・退職まであと1週間と迫ったベテラン刑事ウィリアム・サマセット(モーガン・フリーマン)
・デヴィッドの妻トレイシー(儚いイメージで出世作となる、当時ピットと交際していたグウィネス・パルトロー)
・犯人ジョン・ドゥ(ケヴィン・スペイシー)

「あの決断は間違ってはいなかった。だが、1日として違う決断をしていればと思わない日はない」

「地獄より光に道は長く険しい」"Long is the way、AND Hard,that out of hell leads up to Light."

「だが、問題はもっと普通にある人たちの罪だ。それが日常で些細なことだから、朝から晩までそれを許している」

「ヘミングウェイは言った。"この世は素晴らしい。戦う価値がある"と。後の部分は賛成だ」

モーガン・フリーマンが味わいのある印象的な演技を見せる。
自らを"preacher”(説教師)と狂信しているケヴィン・スペイシーが登場する(顔はまだ見せない)後半の冒頭、ピットとモーガンがビル内の部屋と廊下で犯人を追跡するシーンのカメラに注目。
犯人が七つの大罪を完成させる方法が分かる衝撃のラスト。
もっと残酷な結末も検討されたようだが、残酷でグロテスクな場面も多く、後味は良くない。
masahitotenma

masahitotenma