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セブンのgenのレビュー・感想・評価

セブン(1995年製作の映画)
4.2
自分的に過去に見た作品の中でも一二を争う後味の悪いバッドエンド映画。

バックサウンドが余計怖さを引き立てる。パトカーのサイレン音や誰かの怒号、悲鳴、常に何か起こるんじゃないかっていう緊張感と犯人の理解し難い正義感や全てを正当化して次々と人を殺めていく惨さ、テンポ感、終始見入っていた。

映像では見せ過ぎず、敢えて見せない事で、観てる側に頭の中でリアルに想像させより一層の恐怖感を味わせる演出。流石デヴィッド・フィンチャー監督だわ。

ただ、この映画の本質というか、ただの恐怖感を味わせる映画じゃない所がまた凄い。

映画中でも現実社会でもそうだが、殺人犯が絶対的悪とされる世の中で、どこかの誰かにとっては何気ない普通の行動も、他の人にとっては不快に感じたり、逆鱗に触れたりすることもある。
理解してるつもりでも理解できてないことの方が往々にしてあるのが人間関係。
目に見えてわかる犯罪だけを悪とし、想像力を欠いた人間が全く悪意なく行った何気ない言動が、時に誰かを深く傷つける事もある。
ネット社会の今、スタンプ1つで会話が成り立つ時代だからこそ他者目線になる想像力が必要だって感じた。
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