Mariko

この茫漠たる荒野でのMarikoのレビュー・感想・評価

この茫漠たる荒野で(2020年製作の映画)
4.3
ウエスタン・ロードムービー。この掛け合わせは大好きなんだけど、ともすると恐ろしく単調で退屈な作品になりがち、なところをトム・ハンクスとヘレナ・ゼンゲル(子役)の圧倒的な存在感で惹きつけてくれる。

キャプテンとジョハンナちゃんの二人が、会話では意思の疎通ができないこともあって極端にセリフが少ないのだけど、その空気感、そしてそれがどう変化していくのか、が実に素晴らしい。全てセリフで説明してスピード感満載、という昨今求められる要素とは対極にあるので、「退屈」と判断されて劇場公開にもならなかったのだろうけれど、こういう作品もちゃんと評価される世の中であって欲しい...

トム・ハンクス演じる大尉が非常に品格高い人物であることがそこここで地味に窺えるのもとてもよかった。

大尉がカイオワ語で言った “ (You belong with me.) "に、ジョハンナちゃんが英語で “ Captain, Johanna,go? ” と返すところで涙腺大決壊。
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