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ブルー・ワールド: 命の水を求めてのshunのレビュー・感想・評価

3.5
こちらもドキュメンタリーを観る課題が出たので見てみました。

「ブルー・ワールド:命の水を求めて」は世界各地で水問題に取り組む人々について取り上げたドキュメンタリーである。
人口増加や産業発展による自然破壊、気候変動により世界は水不足問題に直面しており貧困地域での飲み水の確保も課題となっている。SDGsでは6つ目の目標に「安全な水とトイレの確保」挙げているが、この映画ではそんな問題に新しい技術や発想で対応しようとする人々に焦点を当てている。
世界全体で問題になっている水の問題だが、その事情は地域によって異なる。そのため地元に根ざした対応は政府よりも1人の革新者の方が早く柔軟に対応できる。

この映画はwater.orgという非営利団体を共同設立し、世界の水問題に取り組むアメリカ人俳優のマット・デイモンが出演している。それに加えナレーションはイギリス人俳優のリーアム・ニーソンが担当していることから彼らのファンをはじめとした映画ファンに、世界で起きている現状に目を向けさせるという意図もあると考えられる。

ケニア、シカゴ、チェンナイ、オランダなど世界各地でそれぞれの問題に取り組む人々が紹介される。解決策は水の再利用システムや下水処理技術の開発から近隣住民すべての人が安く安全な水を手に入れられるようなビジネスの展開など様々である。
例えば空気中の水分を水資源とする技術の開発やローンで水資源を確保するビジネス、排泄物をエネルギー源とする技術などここ数十年で大きく進歩していることが分かった。

映画の終盤に「水問題における障害は技術ではなく経済と政治」というセリフがあった。世界各地で素晴らしいアイデアが誕生し実行に移されているがそれを普及させるための費用は水問題の解決においてとても重要である。
水問題は解決が可能なものであるがそれには総合的なビジネスモデルの構築と政府による適切な規則づくり、支援が必要であることが分かった。

また、経済力を持ち知名度のある俳優やセレブが率先してこのような問題に取り組んでいるのは素晴らしいことだと感じた。
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