脳内金魚

愛してるって言っておくねの脳内金魚のレビュー・感想・評価

愛してるって言っておくね(2020年製作の映画)
5.0
たった12分の作品に、偽らざるアメリカの現実が詰められている。銃犯罪に巻き込まれるのは犯罪者だからではない。子供でも、それも学校で銃で殺されことがある。それでも銃を手放せないアメリカに巣くう病巣の深さを思いしらされる。

思いもよらぬ形で大切な人を亡くしたとき、それは故人だけでなくまわりの人の生活も激変する。でも、彼らは「被害者」や「遺族」というだけではなく、喧嘩したり泣いたり笑ったりした/する名前のある人でもある。ずっと悲嘆に暮れるだけでなく、ご飯を食べ、いづれは日常を取り戻し、笑ったり怒ったりする。そした時々「不在」を思い出す。その頃には「悲しい」より「寂しい」だったりする。そんな人の持つある意味悲しさや強さを思い起こさせるラストでもあった。

邦題。わたしは「死ぬかもしれないから」言っておくねっという覚悟を子供がしなければいけないことがある、そんなアメリカの銃社会を表したかったのかなと思った。
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