「アフガン・ラブ・ストーリー(An Afghan Love Story)」というサブタイトル(タイトルのワジマ(Wajma)は主人公の女性の名前で、彼女を演じている女優の名前でもある)から受ける(私の勝手な)第一印象とは大きく異なる内容である。特に今だからこそ、アフガニスタンと言えばアメリカ軍撤退による傀儡カルザイ政権の崩壊やタリバン政権の誕生などの政治状況が真っ先に思い浮かぶが、映画の中では政治も戦争も全く描かれない。また、ラブストーリーという単刀直入な表現から受けるロマンティックな内容でもない。
https://filmarks.com/movies/92520/reviews/96293019 What will People Say という映画も同じ類で、パキスタンからノルウェーのオスロに移民した家族の移民2世の女性に焦点を当てている。一般論かもしれないが、アフガニスタンもパキスタンもこの英題のように、周りの人々の目や親戚の人々の目をいつも気にしている。日本でもよく人の視線を気にするというこういう話を聞く。これは、伝統文化で、なかなか変えることができないし、人の目を気にすることが悪いともいえない。問題点は、人の目を気社会の人々にしないで行動したときや人の目を気にして行動したときの、結果として、それが、社会の慣習や宗教に反すると判断されたとき、例えば、この映画では体罰(DV)に発展することだ。『罪と判断される』とそれに対して私は寛容さは全くない。