ひで

ダーク・アンド・ウィケッドのひでのレビュー・感想・評価

3.4
私は大学をでて実家にかえることを避けていた。あれほど綺麗好きで掃除ばかりしていた母が心の病でかわった。だから早く家を出たかった。何年かぶりにかえるとすべてが変わり果てていた。家はまるで怪物のように私の心を恐怖で包み込んだ。これからどうなるのか、そしてどこに行きつのか苦悩に満ちていた。

この映画、夫の介護や牧場の仕事を一人で背負っていた妻。子供たちは連絡すらよこさない、疲労と孤独と戦いながらそこに悪魔が付けこむ。恐怖の背景は「悲しみ」である。エクソシストもそうであった。「悲しみ」こそが悪魔の正体であると解釈する。
だから恐怖の描写はすごく怖いし、これこそ観客の心を恐怖のドン底に突き落としている映画で私の中ではエクソシスト、オーメンにつぐホラー映画である。
最後のシーン、農場に響き渡る絶叫は名シーンで私に対し恐怖の余韻を永久に残したのである。

悪魔の目的は結局なんであったのだろうか?
それだけが理解に苦しんだ。
ひで

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